高校球児ザワさん


今読んでるマンガっていうと、これと「オールラウンダー廻」だけです、ハイw
(道場でのマンガ、ゲーム談議にいつもついていけない・・・淋しい・・・)


高校球児ザワさん」。主人公は日践学院高校硬式野球部唯一の女子部員、都澤(みやこざわ)理沙。一年。この設定だけだとソソられないんだけど。
ものすごいリリカルなんだ、これが。映画みたい。フェチマンガという宣伝文句より、その抒情性にヤラレまくり。


高校球児 ザワさん 2 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)

高校球児 ザワさん 2 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)


男だけの野球の世界で紅一点、といえば「野球狂の詩」の水原勇気なんだけど、やっぱちょっと昔の話かなーという感じ。女性観とかがね。
でもザワさんは、昔も今もこれからも、きっと通じるものがあると思う。


好きで仕方ないのに届かない世界。矛盾を突くよりも、そこで卑屈にならないで淡々と好きなものに向き合う。彼女のそんな日々を見てると、なんだかキュンとする。


お気に入りのエピソードは第2巻の23話「オフシーズン」。
タイムトライアルで男子部員に交じるザワさん。必死に走るけど、男子のペースには当然ついていけない。

「お前、もういいよ」。容赦なく浴びせられる仲間の声にも「やります」とひるまない。
なんかね、ここに勝手に感情移入してますよ、正直言ってw


自分自身が道場では足手まといの部類なわけで、でも練習しないとうまくなれない。申し訳ないと思うけど、でもそこで引っ込んじゃうわけにはいかない。
「ごめんなさい」と言うことで自己満足しても、結局何にもならない。「やります」しかない感覚。痛いほどわかるよ、ザワさん・・・


とはいえ、こちらはもう人生折り返してる年齢で、青春真っ盛りのザワさんたちのような何でもない、でもキラキラしてる日々があるわけじゃない。たまにそういう視点から描いた回もあって、それが一層「もう届かない青春の一時期へのノスタルジー」なんかも感じさせてくれる。痛いなあ、もお。いくら頑張っても、私が今からあの時代に戻れるわけじゃない。


野球(私にとっての柔術)と思春期、二重の意味での「届かない世界」を瑞々しく描いた佳作として、個人的にいま大プッシュな作品であります。
早速道場にも持っていこうと思ってるけど・・・あんまり「面白い」って思ってもらえないかも・・・orz