時雨が「草の花」のBGMになるわけではあらねど
地味にファンの多い福永武彦氏の「草の花」。ちょいと腐女子テイストとかBL風味と言われてしまうところがあるようだけど、あの清廉さは何年かに一度読みたくなる。じつに魅力的な作品。
- 作者: 福永武彦
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1956/03/13
- メディア: 文庫
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何より、あの頭でっかちにしか愛を表現できずに死んでいく孤独な汐見のキャラクターが、どうにも自分の中の痛いところを突く。自傷的にそのヒリヒリした感覚がほしくなる。そんなことが何年かおきにあるのだ。
昨夜、またそのウェイブが襲ってきたのだけど、ふと「このフレーズ、どこかで既視感が?」と思ったら。
僕は普通です 期待しないで
「シークレットG」(作詞:TK)
ああそうだ、藤木が汐見の愛情の押し付けを重いと感じるところでこんなセリフがあったんだ。
時雨の音楽性と「草の花」の冷たく澄んだ感じ。自分の中ではなんだかとてもきれいに重なる。
なんで今まで気づかなかったんだろ?
シークレットGはなかったので、とりあえずこっち。
あ〜、読みたい読みたい!>「草の花」
なのにいま手元にない。ものすごく気になる。
探して読んでみるまでの、これはメモ。覚え書き。