装甲騎兵ボトムズ「孤影再び」と「赫奕たる異端」のことなど


何年ぶりかでの「装甲騎兵ボトムズ」祭りなう☆彡

ボトムズを知らない平成育ちの方々は、このオープニング映像で雰囲気を味わうべし!)


☆以下、ロボットアニメというかボトムズに興味のない方にはツライ内容になると思うのでw、無理しないでここで引き返してください・・・m(__)m



ずい分時間経っちゃったけど、いまさら見てしまったのですよ「孤影再び」を。


▼「孤影再び」予告


これ、劇場で見るつもりでチケットまで買ってたのに結局行けなかった作品で。あの砂漠での戦闘シーンは、ローラーダッシュの軽快な走りっぷりにもうムネアツ。
素手の状態から、敵ATを奪い、乗り捨て、敵を制圧していくキリコの描写には「そうそう、この勝つためには手段を選ばないとこがキリコだよねっ♪」とwktk


CGのAT部隊は「ああ、きっと前の作品もこういう風に動かしたかったんだろうなあ」と技術レベルの向上に隔世の感を感じつつ、「赫奕たる異端」のセルアニメでのATのガシャコンガシャコンした動きに、むしろリアルを感じてしまうのは年齢のせいでしょうかね・・・


▼「赫奕たる異端」第一話予告

キリコはもう、どんな敵とどれだけ激しい戦闘に臨もうと、負けない・死なない(死ねない)のがわかっちゃってるけど、「愛した女性(ひと)を失い、孤独に生きていかなくてはいけない」、という「赫奕」で提示されたやるせない運命。ある意味死ぬより辛いかもしれない状況であるということが、「孤影」では再度ダメ押しされた感じがする。


「俺と一緒に戦って死ぬか」に対して、「いいえ、生きます。キリコと一緒なら戦い抜いて生きるわ!」とフィアナに返されたキリコが、そう答えてくれた人を失ってもなお、生きていかなくてはならない。

普通の人間は、キリコみたいに不死身じゃない。でも、自分にとって大切な人と同時に死ぬことなんてできない以上、これはだれにとっても普遍的なテーマのひとつじゃなかろうか。


「赫奕」でのフィアナに続いて悲劇的な最期を遂げるテイタニアだけど、やはり彼女は存在してくれてよかった。
もともとキリコは無口な男なので、基本的に周囲の人間との絡みで思惑がわかるタイプなんだけど。特にフィアナへの思いや、彼女がキリコに伝えたかったこと、与えたかったものなんかがテイタニアの存在によってクリアになった部分があると思った。


自分と互角、いやそれ以上の能力を持ったキリコと戦場でその実力を認め合い、彼が愛したフィアナと同じように愛されることはなくても、最期は自分の思いが伝わり*1その腕に抱かれて息を引き取る・・・というのは、ある意味理想的な恋愛の終わり方だと思う(恋愛要素の美味しいとこ取りっつー感じ)。


テイタニアのキリコへの思いは、亡くなったフィアナへのキリコの思いと相似系で。フィアナの面影を求めて彷徨い続けるキリコ、そしてそれを追い続けるテイタニアの孤独な旅路が描かれたタイトルバックには、正直クるものがあったですよ。
報われない思いを抱えて、彼女もまたずっと独りで旅してたんだよね・・・(T_T)


「いつもあなたが」はキリコのフィアナへの思い、もしくはその逆かも、と思わせる曲だけど。こと「孤影再び」では、テイタニアの曲でもあるじゃん!と思わされたのも新鮮だった。


「お前の生き方を認めん・・・!」テイタニアのこのセリフもよかったなあ。

キリコの生き方、思いを一番わかってるのは(フィアナ亡き後は)テイタニアだけで。片思いの相手だけど、一応キリコからは同志っぽくは思われてて。だからこそのこの言葉は、彼女なりの「キリコ、生きて・・・!」なんだよね。

このセリフのおかげで、フィアナからの「(キリコを)愛して・・・」に、テイタニアはちゃんと応えられたんだと思った。


いろんな作品の中で、キリコはたくさんの仲間を葬っている。「孤影」でテイタニアもそこに加わることになるのだけれど。

瀕死のテイタニアが伸ばした手を、思いを受け止めたキリコは、彼女の墓標に花を飾って街を出ていく。テイタニアが女性だったからなのかもしれないけど、花を飾るってのはキリコにしては珍しいような気もする。


そう簡単には死ねないキャラである以上、キリコはこれからも出会う人々を葬っていくことになるはず。その運命を受け入れたからこそ、お墓を飾る、なんてことしたんじゃないか・・・と思うのは、深読みすぎかなあ。


【蛇足】
フィアナだけは埋めずにロッチナの手に委ねたことによって、彼女は永遠に明けの明星となってキリコを導き続ける=やっぱり、愛してるのはフィアナだけってことなのね(^_^;)

*1:いや、でも、ひょっとしたらあのとき見つめてたのは瀕死のテイタニアの瞳に映ったフィアナのカプセルの方だったんじゃ?という疑念も捨てきれず・・・でも「孤影」でのキリコって、ココナにおべんちゃら言ったり、修行してる少年たちに声をかけたり、ちょっと優しくなってるからなー。うーん、わからん。