絶対勝てない


日曜日。子ども関係でお花見の予定が、胃腸炎大流行でバタバタとお休みする子が増え、急遽中止に。
これ幸いと自分の練習に行く悪い母です(^_^;)


今日は見かけない人がいるなーと思ったら、プロの格闘家の人だったみたい。あとで調べたら五十里祐一さん、という方だった。打ち込みでは五十里さん、S保さんと一緒に三人でやったけど、スパーはなんかガタイがよさそうだったのでつい遠慮してしまった弱気な自分のバカバカ!そんな人とスパー出来るなんて、なかなかない機会だったかもしれないのにー・・・!ヽ(`Д´)ノ 


今日の技術練習はスパイダーガードからのスイープと、そこから三角に移行する連携、片足だけ相手の腕を蹴り上げた形でスイープするバリエーション。

何度か習ってやり方はわかるものの、どうにも体重の載せ方というか、返す瞬間どこに力を入れて梃子にしてるのかがピンと来ない。
相手の腕に巻きつけた左足を「開く」、という感覚がわかりづらいんだと思う。

でもこれ、出来たらいいよなあ。スパーで使うの難しいんだけど、なるべく練習してみよう。


スパーはK垣さん、S保さん、K賀さん、S谷さんで4本。参加人数が割と多かったので、なかなかタイミング合わず。もうちょっとやりたかったなー。あー、五十里さん残念・・・(←まだ言ってる)


そういえば格闘技好きだという高校1年生のコが見学に来て、スパーの様子を真剣に見ていた。
ニコニコと愛想よくて可愛い。いかにも高校に入ったばかりです♪っていう初々しい感じで、マスターと同い歳とはとても思えない全然タイプが違うなあ、とw*1

春だからか、最近見学や体験入会の人が多い気がする。彼、入ってくれるかな?さて、どうなることやら。


今日のスパーでも、ズボンを押さえてパス、を練習しようと思ってたんだけど。K垣さんには常にあしらわれちゃってダメ。なるべく腕の力に頼るんじゃなくて体重使おうとしてみたけど、終わってみるとやっぱり肩から腕がバリバリに疲れていた。
でも、技術練習でやったスパイダーからのスイープをかけさせてくれた♪ K垣さん、ありがとうm(_ _)m


あとは、だれとやってもやっぱりスイープされちゃうのが共通の課題かな、と。なんとか引っくり返されずに踏ん張れた瞬間もあるけど、そこでうっかり頭がさがるとすかさず三角やら十字来ちゃうし。
特にS谷さんには、さっそくスパイダーで攻めまくられました・・・(-_-;)


K賀さんは今日スパーした人の中では一番体重軽いけど、一番動かされるという感じ。
一つしのいでホッとしてると、すぐ別のアプローチが来るというか。そのたんびに「うわ、こう来たよ!どうしよう!?」「あー、このままだとこう攻められるに決まってる!」とココロが休まる暇なしw


いろんな技で攻められるけど、でも怖くない、という私にとっては貴重なスパーリングパートナーかも。


練習後、そのK賀さんとちょっと話した。

4/28に試合を控えたK賀さんだけど、調子どうですか?と聞いたら「いや〜、どうしましょうって感じですよね〜(^_^;)」と、いつもの笑顔で答えてくれた。

私もメンタルがヨワヨワなんですよね〜、なんとかしないと。でも、いつまでたっても道場で一番ヘタだから、なかなか自信持てないんですよね、と何気なく言ったら。


「でも、それじゃ絶対勝てないですよ


珍しく、キッパリと言い切られた。ドキンとした。

しんどいとか、もうダメかもしれないとか、そういうこと考えてしまった試合には必ず負けた。とにかく、余計なこと考えず試合の流れに集中しないと。

ダメだと思った瞬間、その迷う心が身体の動きに出る。だからそうならないように、集中するのが一番。それしかないですよ。


別にお説教されたわけじゃない。いつものK賀さんの口調で、淡々と話してただけなのに。

「それじゃ絶対勝てない」
帰り道、そのフレーズが何度も浮かんで来て、胸が苦しくなった。


スパー中にマウント取られたり、押さえ込まれてうまくエビで逃げられないとき。まず100%、その時点で心が折れている。
試合本番ですら(取られた分のポイントは計上したとしても)、そこから一本取れる可能性は当然ある。

ましてや同じ道場内での練習なんだから、気にしないでリカバリーのことだけ考えればいいのに。それが出来ない自分はもう、そこですでに負けてるんだ。そう、改めて思わされた。


自分の性分や性格の根っこの部分は変わらないし、そこから変えなくても強くなれるんじゃないか?と考えてたけど。

やっぱり、根本的に変えないと強くはなれないポイントって、あるのかもしれない。少なくとも、いまのままじゃダメなのは確実そう。


二年前。ある試合で負けたあと、K賀さんが泣いてたところを私は見ている。
リングを降りてくるときからもう顔が歪んでて、そのあと頭からタオルをかぶってずっとうつむいていた。かなり長い時間。
他の人たちは、そんなK賀さんに声をかけず、ただ放っておいたのが印象的だった。


まだそれほど親しく話す関係じゃなかったから、帰るとき挨拶しようか迷ったけど。
お疲れさまでした、とだけ言って横を通り過ぎたとき、赤くなった目で、それでも少しだけ笑顔を作って会釈してくれた。

格闘技っていいな。負けた試合なのになんだかカッコイイ。そう思った。


その後も何度か負けてはそのたびに練習を繰り返し、その果てにようやくプロへの切符をつかんだ人だけに、自分の心の弱さと向き合ってきた時間も長いはず。

そのK賀さんが、「それじゃ絶対勝てない」と断言するんだから、やっぱり私は自分の中の何かを変えないといけないんだろう――もし、試合で勝ちたいのなら。


自分に克つってよく言うけど、それがいちばん難しい。

*1:私はマスターのあの寡黙なキャラ、大好きだけど。あれだけ上手いと、いくら若くても「高校生のコ」とは思えず。なんかもう、柔術に関してはいまの上下関係が固定化しちゃった感があるというか・・・(-_-;)