Cool Fighter
道場仲間3名が出場した「全日本新人選手権大会」。
我が道場は無冠に終わったので、トータルでは残念な結果だったことになるけど。悲喜こもごも、いろいろと考えさせられた。
日頃なかなか行けない応援に行ったのは、マスターが大人(シニア)の大会に初出場というので、単純に「大人と試合するとどういう感じになるんだろう?」と興味が湧いたから。
――結論から言うと、見に行ってよかった。
マスターは初戦で一勝し、二回戦敗退するも、今回我が道場の勝ち星はこのひとつだけだった。
試合会場に向かう車内で、車酔いしたと言ってぐったりしていたかと思えば、道着チェックでまさかのダメ出しを食らいK倉さんの道着を借りて出場、と自分が同じことになったらきっとテンパってしまいそうな状況だったのに。
お陰で緊張しなくなった、とサラっと言い放って涼しい顔で勝ってしまった。いや、本当に涼しいのかどうかはわからないけどw 表面的には動揺が顔に出ないタイプのようで、ビビリの自分としては超うらやましい。
ビッグマウスなK倉さんが、やたら饒舌に自分語りをするのと対照的。しかし自分の内面はきっと、K倉さんの方に近いと思う。不安で仕方ない気持ちを飼いならすことが出来ず、つい表に出してしまうに決まっている。
(K倉さんやT村さんたちは試合開始時間が遅く、空調のない寒〜い体育館内で待つ時間が長かったのも結果に影響したかもしれない。
待ち時間が長く室内環境が悪いほど、身体的にも精神的にもコンディションを整えるのは難しい*1)
みんなの試合を見て思ったのは、勝っても負けても、自分らしくマットの上に居たい、ということ。
少なくともマスターはマスターらしく勝ち、マスターらしく負けていたように私には見えた。
勝てなかったK倉さんやT村さんは、いつも道場の練習で見かけるいいところを出しきれずに負けたように見えたけど、それは自分らしさを阻害する何ものかとの戦いに負けたせい、かもしれない。
先生が試合に向かう車内で言った「(試合は)ある意味タイマン」、という言葉を私はそう受け取った。
私が柔術を始めたきっかけに、ある合気道有段者の人*2の存在があり、その人は「文武一道」*3 *4を自分の指針にしている。
極端にいうと箸の上げ下ろしや何を食べ、着て、どこに住むか、そういう諸々と身につけた武術のスタイルは一致する、というものだ(と、自分は理解している)。
かくありたいと思いつつも、ブレずに生きていくのは難しい。でもなるべく自分の生きていくスタイルと、柔術のスタイルが近いものだといいな、とは少し前から考えている。
来月の試合。
自分らしく戦って、自分らしく勝ちたい。出来ることなら。
もしあれこれ考えすぎて自滅するのがこれまでの「自分らしさ」なら、それはちょっとスタイルを変えてみたいところだ。
この間の練習から、(まだ不十分ながら)脱力と重心のかけ方でずい分落ち着いて動けるもんだな、と思い始めてる。
打撃の練習に出ていつも指摘される「ジャブを出すとき右のガードが下がる」というクセ。ここにも何かヒントがありそうな気がしている。
多分このクセと、自分特有なものの見方・考え方や行動パターンにはきっと相関がある。
柔術の技だけでなく、そこらへんも合わせていい方向に向けていくべく、ちょっとクールな頭でひと月の間考えてみようと思う。