「モノクローム・ヴィーナス」対決

池田聡デビュー曲といえば、ご存知「モノクローム・ヴィーナス」。これか「月の舟」「濡れた髪のLonely」あたりが大体「池田聡の曲で知ってる曲」、と言われるところかなーと思う。


で。
知らなかったんですよ、「モノクローム・ヴィーナス」に2008年バージョンがあったことを。
「雪〜あなたがいてくれたら」のカップリングで発売されていて、3/22の八王子のライヴでCDが手に入ったのでようやく聴いてみたのだけど。

じつはAcid Black Cherryがカヴァーした「モノクローム・ヴィーナス」もあって。「オリジナル」「カヴァー」「2008」、この三つを聴きくらべてみた。


まずはオリジナルの「モノクローム・ヴィーナス 1986Ver.」


お次。「”Acid Black Cherry” Ver.」


そして「モノクローム・ヴィーナス 2008Ver.」

※動画がないので視聴でサワリのみ


・・・むー、オリジナルが不動の一位なのは当然として。


私はこの曲って、疾走感がキモなんだと思っていて。
走りすぎる車。去っていく女性。慌てて飛び出してバックミラー越しに彼女を追う僕。
若さ故の不器用で性急な求め方が、きっと二人を隔てた何かの理由なのだろうけど。

そういう方法でしか、恋愛や彼女に対峙出来なかった「僕」の後悔は、そのスピードの中でこそ思い出として強く印象づけられている。だからこそ、「胸に閉じた君はヴィーナス」なのだ。

その疾走感が、残念ながら08バージョンには、ない。ものすごーく、惜しい。


声が変わってしまったというのはあるだろう。でも、それを前提としてアレンジも工夫しているはず。
でも、疾走感では08バージョンを上回るように思えるAcid Black Cherryのアレンジが、今の池田さんの声に合うとは思えない。あのアレンジは、やはりAcid Black Cherryの世界観だ。


08バージョンの「モノクローム・ヴィーナス」では、疾走感ではなくて彼の後悔・・・情緒的な面にフォーカスされて世界が構築されてるような気がするのだけれど・・・深読みし過ぎかしらん?


人は変わる。年齢や経験によって。そのときの自分に合った服を着ればいい。それだけなんだと思う。

「雪〜あなたがいてくれたら」や、多分「ハナノタネ〜愛の物語」は、今の池田聡という人が歌い、人々に伝えるのに相応しい世界なはず。私はそれをこそ聴いていきたい。

積み重ねられた過去と、ここに至るまでの道程には敬意を表しつつ。
私が好きなのは「いま池田聡」その人であり、期待しているのも「これから池田聡」。それは多分、最初に日吉のライヴに行ったときから変わってない。はず。


てことで、結局原曲マンセーになってしまったようなw ま、いっか。
なんかいつもオチがこんなんばっかだなー。