ヒラ社員には何もわからないよ

「倒産の危機シグナル」ってエントリが2chにあったのをさっき初めて読んだ。

民事再生経験した立場で言うけど、全然わかんなかったよ。
いつもどおり会社行って、仕事して、その日も「これから直帰しまーす」って職場に電話入れたら、電話に出たある課長さん(上司ではない)が、「悪いけど、今日はすぐに会社に戻って。緊急の話があるから」って。
で、帰社後のミーティングで「じつは・・・」って、部長がみんなを集めて暗〜い顔で事の次第を説明してくれた。

確かに会社には当時、バブルのときのツケである負債が百億円単位であった。だから、「どうするんだろうねー」「でもそんな金額、普通の営業やってても返せるはずないよねー」「ねー」「ねー」って、ヒラ社員たちはうなづきあってただけだった。

会社は、当時で300人くらいの規模の、いわゆる中小企業だったんだけど、それよりもっと大きい会社や少人数の会社の場合も同じなのかはわからない。
でもヒラ社員の中で、資金繰りがヤバい、もう手形落ちないよ、という状況がわかってたのは、経理・財務部門の同期のコくらいだったんじゃないかなあ?
上の方の人(役員、部長クラス)は、もちろんもう少しシビアにわかってたかもしれないけど。

少なくとも、ヒラ社員たちには、会社がヤバイ=今日明日にもヤバイ、なんてことはわからないと思う。
ああでも、今年倒産した某社に転職した知人は、給料遅配とか経費精算が遅い、とか言ってたっけ。まあ余力残しての倒産だったのかも。

民事再生法の適用申請してからは、問い合わせ担当窓口の一人になっちゃって、えらい参ったっけなあ。
債権者の業者さんたちから来る電話は「仕事だけさせといて/材料の納品させといて、代金払わないなんて、泥棒と同じじゃないか!」みたいなのばっか。朝から退社時間まで、その対応に追われっぱなし。それでも、受話器の前で頭下げて、必要な書類出してもらうようお願いして・・・結局その書類は、債権放棄のための債権額算定に使うわけだから、みんなひと言言いたいのは今はわかるんだけどねえ・・・あ〜、思い出すだけで嫌な経験だったよ。

それでも、前述の知人の場合、倒産後に社会保険料や税金すら滞納してた事実が判明したらしいので、私の経験でもまだマシな方みたいだけどね。

いや本当、経験するとガックリくるもんだよ>会社の倒産