泣けるほど出来ない日


あり得ない。自分の年齢を考えてあり得ないんだけど。


今日の練習で、あろうことかあまりにも出来ないのが情けなくて、大の大人のくせに街中で泣いてしまった。いや、もちろん、号泣したわけじゃないけど。


前回道場へ行ってから、また間が2週間以上空いてしまったので嫌ぁ〜な予感はしていた。でも、あんまりマイナスなこと考えるのやめよう!とわざと能天気に向かったのだけど。

まず、例のくるくるがまた出来なくなっていた。今日一緒に組んでくれたFさんが、気を遣って出来ない左側の動きのとき、帯を持って回転するのを手伝ってくれちゃうのも、すでに情けない。当然そこで遅れた分、また打込み終了は最後になってしまった。


技術練習はそこそこわかったんだけど、やっぱりクラッチ逆になる病も再発してた。あと三角絞めも、相手と正対しない位置でやるクセがついてるらしくて全然効かない。
今日の中心はフックガードの練習だったのに、技の手順に気を取られるとすぐ足がフックじゃなくなってしまう。何度も直された。
はあ・・・いっぺんにいろんなこと出来ない。もう、頭悪すぎ。


しかも。
それをスパーで再現しようなんて思ったのが間違っていた。もうダメ。全然そのレベルじゃない。
白帯同士の方がライバル意識強いから気合い入りやすい、とは聞いたことがあったけど。

以前組んだとき、ヒップスローがものすごくスピード早くて投げられるとき思わずうっと声が出ちゃうくらいの威力あるIさんと、打込みで一緒に組んでくれたFさんから、それぞれ「お願いします」って言われたので、うわあ私でいいのかなあ、ヘボすぎて練習にならないよ?と思いつつも、ありがたくお受けしたのだけど。


お二人とも、ものすごく本気丸出し。テイクダウン取られリバーサルで取られ、こっちの体勢が上でも下でも相手に抑えられるとまったく逃げ出せない。
ありとあらゆる方法でやっつけられ、最後に腕や肩極められてタップ、という向こうにとっては理想的展開(多分)。築かれてゆく無数のタップの山。は〜、むしろ格好の練習台だよ、今の私ったら。


で、そこでやめておけばいいのに。なぜか魔がさしてあろうことかSクンに「お願いします」、と言ってしまった・・・なぜ、自ら死地に赴こうとするのか!?


結果、見事なまでに返り討ちに。バッサリ。即死。

私だとヘボヘボな三角絞めが本当によく極まる。彼との1本だけでも、5回くらいタップしたんじゃないかなー。いや、もっとかも。
立ち合い、こっちは袖つかむか襟取るかどうしよ?と迷ってる間に、スカッと腕を取られてあっという間に抑え込まれる。逃げようとしても、そんなに強い力には思えないんだけど、やっぱりうまいんだよなあ、なんだかもう全然動けない。Iさん、Fさんより若いけど、彼が一番上手に抑え込んでた気がする。絞め技もポイントついてる感じで、さくっとやってるのにものすごく締まるし。

スパー終了後ヘロヘロなこっちに比べて、彼は至って涼しい顔。余計に自分の出来なさ加減が際立って情けなくなる。


体調悪かったのを知ってる先生は「病み上がりなのにスパー3本できるなんて、大分体力つきましたね!」と褒めてくれたけど、逆を言えば体力くらいしか褒めるところがないわけで。この後、本当に今よりうまくなれるの?自分で自分の実力が一番信じられない・・・


でも、道場を辞すまでは普通にみんなと雑談したりして、あんまり気にしてないつもりだったんだけど。
道場から出て駅まで歩いてる間に、なんだかどんどん落ち込んできてしまった。
帰りのバスに乗ってる間に、妙に鼻水が出る。あれー、治ったはずの風邪が再発したかと思ってたら。バスから降りて自転車置き場に向かってる間に、涙がぽろぽろ出てきてしまった。


自分でも「マジで!?なんで私ったら泣いてんの!?」って思ったけど、自転車置き場で人気がないのを幸い、堪えきれずに泣いてしまった。いや、くどいけど嗚咽漏れちゃう程度で号泣まではしてないですが。

自転車置き場に人はいなかったけど、隣接する道路からは丸見えなわけで。
車で信号待ちしてる人は「はあ?このおばさん、何みっともなく泣いてんの?」とか思ったはず。


泣けるほど自分が落ち込んでるのがわかって、これはまっすぐ家に帰れないやと、ひとしきり泣いてちょっと落ち着いてからスーパーで買い物して帰った。
でも半分ぼーっとしながらだから、ドライフルーツ売り場で「これ食べたら青木さんみたいに強くなるかな」とか、しょーもないことを考えつつ。すっぴんで目が赤いのも鼻が赤くなってるのも丸わかりだっただろうなあ。ハズカシ。知り合いに会わなくてよかった。


で、まあちょっと冷静になれば、Sクンとのスパーはやっぱりいい勉強というか、腕を簡単に持ってかれちゃうのも、無防備に脇を開けてるせいなんだろうし。
欠点がわかっても、極め技をきちんと自分のものにして、かつそこに持ってく流れもいくつか身に着けないと、誰かに勝つなんてことはきっとこれからも出来ないんだろう。


タップの山を築きつつ、また練習します・・・もうこんなことで泣かない程度に強くなりたい。