なんでみんなそんなに自然分娩好きなん?

「プルミエール 私たちの出産」という映画が現在公開されております。世界10ヶ国の妊婦さんの出産ドキュメント、だそうです。
知り合いで見た人、特に自分も助産院で産んだという経産婦の方の評判がすこぶるよろしいですが。
そして私はまだこの映画を観てもいないのですが。

・・・日本代表が、かの吉村医院なんだってさっ!ひょえーーーーーー!!!
たまたま休日のワイドショーで目にしたんだけど、番組では自然分娩サイコー!病院で産むなんてチョー非人間的!女性たるもの、産むならやっぱり助産院でしょ!!!な図式になって宣伝されてた(まあこれは映画監督の意図とはまた別なんだけど)・・・マジすか?

なんで出産は自然分娩が一番、病院出産は医療が不自然に介入してるからダメ、とゆー単純な形になっちゃうんだろ?
日本の高度な周産期医療システム(も、現在かなり崩壊しつつあるようだけど)のおかげで、日本の胎児死亡率は世界に冠たる数値で、それは日本人として誇っていいことだと私は思う。それを支えてくれてるのは、不眠不休で(昨今では訴訟リスクに怯えつつ)働いてくれてる普通の産科医師たちなのに。

助産師の能力自体は、私も認めてる。子供二人の出産時はどちらも病院内にいる助産師さんのお世話になったし。でも、助産師礼賛=院内助産師礼賛じゃなくて「助産院礼賛」、になっちゃうのはなぜなんだろう?

いや別に助産院で産みたい人に水を差す気はないけどさ、自然てことは死にやすいってことなんだ、と腹をくくって助産院で出産してる人がどれだけいるのか?と。ナチュラルでロハスなおしゃれイメージだけで助産院を選んで無事出産に至ればいいけど、万が一救急搬送という自体になり、その搬送すら間に合わなくて胎児及び産婦死亡という最悪の状態になったとき、「自然にしてたからこれはやむを得なかったのだ」、と納得出来る人が一体どれだけいるんだろう?数は少なかろうと、どこにも何の落ち度もなかろうとも、死んでる胎児も妊婦も産婦も、実際に存在しているのに。

参考:
映画「プルミエール 私たちの出産」公式サイト
信仰と狂気〜吉村医院での幸せなお産
助産院は安全?